人生100年時代を迎えて・・・

人生100年時代を迎え、心豊かに人生を楽しむため、様々な視点からお役立ち情報の発信を目指してます!!

人生100年時代 住宅ローンの繰り上げ返済 ちょっと待った!!

人生100年時代 住宅ローンの返済は大きな金額かと思います。

より豊かに人生を楽しむためにはお金のこと、ローンの管理はとても大切。

その住宅ローンですが、「出来るだけ早く繰り上げ返済しましょう!」とアドバイスされることが多いと思います。

しかし、「ちょっと待った!!」

繰り上げ返済をする前に、確認すべきことがあります。

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写真ACより加工

 

 

住宅ローンの繰上げ返済ちょっと待った!!

最近の住宅ローン事情

ここ数年で住宅ローンの金利が低下しています。

長期の固定金利型ローンでも金利が1%を切るものが多くなっています。

もし、借りている住宅ローンの金利が1%未満の場合で住宅ローン減税を適用される方あるいは既に適用している方は、支払う利息より税額控除の方が大きくなり「実質金利負担ゼロ、かつ、差額が家計に戻る」ことになります。つまり、少し得する!?なにか不思議な感じ・・・

これが、「マイナス金利」の状態ということです。

 

ちなみに我が家が借りている住宅ローンは、約3年前の借入ですが、三井住友銀行より25年ローンで当初10年固定金利で利息が0.85%、1%未満です。

 

今はもっと低金利! いくつかの住宅ローン金利を見てみると、

 9月データで当初10年固定では、(諸条件あり)

  • 住信SBIネット銀行 0.67%
  • りそな銀行 0.605%
  • じぶん銀行 0.590%
  • 三菱UFJ銀行 0.590%
  • イオン銀行 0.690%

 また、全期間を固定で借り入れる「全期間固定型」のローンでも金利が1%を切る商品もある。

 例えば 住宅金融支援機構が金融機関と提携して手がける「フラット35」です。

 最も多い例で 0.86%程度のようです。

 

 などなど、多くの住宅ローンが1%未満という超低金利です。

 

住宅ローン減税とは

 

もう一つ確認しなければいけないポイントは、住宅ローン減税です。

(既に適用を受けている方は、読み飛ばして頂いて構いません。)

住宅ローン減税とは正式には「住宅借入金等特別控除」と呼びます。

概要は

住宅借入金等特別控除とは、個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等(以下「取得等」といいます。)をし、令和3年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。国税庁ホームページより引用

www.nta.go.jp

 

もう少し簡単にポイントをあげると:

  • 毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除できる!
  • 所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除される!

         ⇒ ここが一番重要!! つまり、年末のローン残高の1%が確定申告で戻ってくる(還付される)

  • 住宅ローンの借入れを行う個人単位で、世帯単位ではないことに注意!
  • 令和元年10月の消費税率引上げにあわせて控除期間を13年間に拡充される!

 対象住宅は:

  • 新築住宅
  • 中古住宅(要件あり:例 築20年以下 マンションの場合は築25年以下など)
  • 増築や一定規模以上の修繕・模様替え、省エネ・バリアフリー改修なども100万円以上の工事費 

 中古住宅の場合、詳細条件等についてはこちらを参照 ↓

  No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

 

住宅ローンの支払い利息と住宅ローン減税額(住宅借入金等特別控除)を比較する

 それでは、実際のローン利息の支払い額と減税額を比較してみます。

 

 例えば我が家の場合ですが・・・ 

 平成30年度(2018年度)の住宅ローンの支払金利は、年間170,778円

 それに対して 住宅借入金等特別控除は 196,200円

 つまり

 196,200円 - 170,778円 = 25,422円

 支払った金利は実質ゼロ負担で、なおかつ、25,422円 お金がもらえた!! 

 というわけです。

  

 住宅ローン計算書より、支払金利は、年間170,778円 ↓

 我が家の場合は、元金均等返済を選択しています。(後述の豆知識参照)

 

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我が家のローン計算書より

豆知識:元金均等返済は、元利均等返済に比べて、元金の減少が早いため、返済がすすむにつれて、毎月の返済額は少なくなります。計算書を見てください。

例えば、平成30年1月27日の返済額は合計87,181円うち利息が14,515円、元金72,666円

そして、12月27日の返済額は、合計86,614円うち利息が13,948円、元金は変わらず72,666円となっています。

元利均等返済に比べて、元金の減少が早いため、総支払利息や総支払額が少なくてすみます。 但し、元利均等返済よりも当初の返済額が多いため、借入時に必要な収入は高くなります。

 

確定申告書より 住宅借入金等特別控除は 196,200円 ↓

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我が家の平成30年度確定申告書より

 

繰り上げ返済をしてしまうと?

 さて、仮に我が家で今月に繰り上げ返済を行うとします。

 金額は1年間分の期間短縮として、

 元金毎月72,666円X12ヵ月=871,922円 を繰り上げ返済します。

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三井住友銀行HPのシュミレーション結果

すると、年末のローン残高は現時点の17,876,036円となり(返済予定表より↓)

   住宅借入金等特別控除 178,700円

   一方支払い利息は 161,485円 となり

  178,700円-161,485円 = 17,215円 の差額ゲット!

 

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返済予定表より、繰り上げ返済した場合

一方、繰り上げ返済をしない場合

 年末のローン残高は、18,748,028円 (↑ 返済予定表より)

 住宅借入金等特別控除 187,400円

   一方支払い利息は 163,338円 となり

  187,400円-163,338円 = 24,062円 の差額ゲット!

結果

繰り上げ返済した場合 17,215円 - しない場合 24,062円 =▲6,847円

となり、繰り上げ返済すると なんと、

もらえる差額が 6,847円 少なくなります!

 

今回は繰り上げ返済すると住宅ローン減税のメリットが少なくなるケースをご紹介しました。

ただ、繰り上げ返済することにより、様々なその他のメリットもあるので、総合的に考える必要があります。

また、別の機会でその辺は投稿したいと考えています。

 

一番大事なのは個々のライフプランです。それにより、ローンを早く返した方が良いか、それともそのお金を運用したほうが良いかなど、色々考えることがあります。

 

では、また。